EXHIBITION|リテールテックJAPAN 2025 Retail Tech Japan 2025
HALL|東京ビックサイト
DATE|2025.03.04-07
SIZE|3m×3m×2.7m(1小間)
CLIENT|株式会社Nebraska 様

 

株式会社Nebraskaは、有人・無人を組み合わせたハイブリッド型の営業スタイルによって、小売店の収益を最大化する店舗無人化システム「デジテールストア」を開発・提供している企業です。
今回、同社は「小売・流通業をデジタルで変革する」をテーマに掲げる展示会「リテールテックJAPAN」に初めて出展しました。
出展にあたっては、SUPER PENGUIN代表・竹村が体系化した「実際に集客に成功した方法」をまとめたノウハウ─PENGUIN METHOD─を高く評価いただき、ご依頼につながりました。
ブースは1小間・2面開放。SUPER PENGUINと大洋工芸が共同開発した展示ブースフレーム「PENGUIN UNIT」を採用し、壁面棚などは木工造作で仕上げています。
PENGUIN UNITは明るい照明を標準装備していて、配線処理もスマート。余計なケーブルが露出せず、どの角度から見ても美しい仕上がりです。そのため周囲のブースに比べて明るさ・清潔感ともに際立ち、会場内でひときわ存在感を放つブースとなります。

右側の壁面には、実際に店舗に導入されている縦型モニターを設置。来場者は画面に表示されたQRコードをスマートフォンで読み取り、アプリに登録することで入店ができる仕組みです。
モニターは厚みがあるため、下部に腰壁を設けて安定感を演出。視覚的にもバランスの取れたデザインとなっています。
ブース全体はライトグレーを基調にし、床から壁面まで統一感をもたせました。壁には白地の板を用い、その上に情報を整理したグラフィックを作り込み、展示台や什器もホワイトで統一。シンプルで明快な空間構成とし、テクノロジー企業らしい洗練された印象を与えています。

2面開放の角には展示台を配置。天板下はオープン収納になっており、チラシやパンフレット、交換した名刺をすぐに整理できるようにしてあります。さらに下段には目隠し収納を造作し、資料や荷物を隠してブースの美観を保ちます。
壁際の展示台下にも収納を備え、限られた1小間にも十分な機能性を確保しました。

壁面グラフィックは「人件費を削減しつつ、24時間営業を可能にする」というシステムの強みを端的に伝える内容。単調になりがちなシステム紹介を、白板の上にレイアウトすることで立体的に浮き上がらせ、視覚的にも印象に残るデザインとしました。
通路からも認識しやすいよう高い位置には大きなテキストを配置し、足を止めた来場者がブース内に入ると、さらに詳細な説明を読み取れるよう文字サイズを段階的に調整しています。
左端の展示棚には決済システムの機械を設置し、実際の利用シーンを想起しやすくしました。

さらに、壁面グラフィック下には「A3サイズの手持ちパネル」を立て掛け。普段営業で活用している資料を展示会でも使用できるよう提案しています。商談時にスタッフがそのまま手に取り、具体的な説明ツールとして活用できる実用性の高い仕掛けです。

展示台の上には来場者に配布するための「A5サイズカード」を設置。持ち運びやすく、配布しやすいサイズ感が会話のきっかけ作りにも役立ちます。モニターはPCと接続し、システムの説明資料や画面遷移を表示。映像による補足で理解度をさらに高めます。

展示台の天板にはカッティングシートで「デジテールストアで閉店時間をなくすという新概念」というテキストを直接貼り付けました。並べるモノがない企業の場合に、メッセージを明確に打ち出し、視覚的インパクトを与える演出の一つです。

通路に立ったスタッフはA5カードを配りながら来場者に声をかけ、興味を持った人を壁面モニターへ誘導。モニターを指し示しながらシステムの仕組みを説明し、そのままブース奥へ案内する流れをつくります。
盛んな呼び込みをする企業が多いエリアでも、Nebraskaのスタッフは自然体でアプローチ。ユニフォームをあえて着用せず、普段着で立つことで来場者との距離を縮め、親しみやすい雰囲気を演出しました。

興味を持った人をブース内に誘導。来場者に奥に入ってもらうことがコツ。

ブース内ではスタッフが丁寧に説明を行い、来場者が熱心に耳を傾ける場面も多く見られました。
壁面上部には人の背丈を超える位置に水色のタイトル帯を配置。文字を大きめに設計することで、通路からでも概要を直感的に理解でき、来場者の足を止める要因となりました。
Nebraskaの皆さんからは「来年もぜひお願いしたい」と高い評価をいただきました。

 

◆会場について
リテールテックJAPAN 2025は、東京ビッグサイト東ホール1〜3にて開催されました。ホール1側には8×8小間規模の大型ブースが並び、ダイナミックな空間演出が見られる一方、ホール3側には1〜6小間規模のブースがテーマごとにまとまり、来場者が効率よく比較・検討できるように配置されていました。最新のリテールテクノロジーが一堂に会する場として、活気あふれる雰囲気に包まれていました。

◆小間位置について
Nebraskaのブースは、東ホール3の入口を入り、右手へ進んだ3ブロック目の角。2面開放のうち1面はホール壁側に向いていたため、歩行者の視線が左右に分散せず、明るく開放感のある展示グラフィックが効果的に目に入りました。
結果として、自然に足を止めて説明を聞く人が増える立地となりました。

◆スタッフについて
展示会場は、呼び込みの声が飛び交い熱気に満ちる環境でした。その中でNebraskaのスタッフも積極的に声をかけ、来場者にアプローチ。普段着スタイルで立つことで親近感を演出し、気軽に会話できる空気をつくりました。
通路でカードを配布し、そこからグラフィックやモニターを指差して説明を始め、興味を持った来場者をブース内へと誘導。自然な流れで商談につなげられる仕組みを築きました。
(文:田宮谷)

 

本記事の監修者について

竹村 尚久
竹村 尚久SUPER PENGUIN株式会社代表取締役|展示会プロデューサー/デザイナー
兵庫県姫路市生まれ。法政大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。一級建築士。1996年4月・五洋建設株式会社入社。2005年6月・インテリアデザイン事務所ディーコンセプトデザインオフィス(現・SUPER PENGUIN株式会社)設立。2006年5月・東京インテリアプランナー協会 理事就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2008年5月・東京インテリアプランナー協会 副会長就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2012年9月東京造形大学 非常勤講師(~2018)

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