展示会ブース検討の基本概念
最も効果のあるブースは、出展者・設営会社双方の協調がうまくいった時に完成します
当社の経験上、最も効果のあるブースができる時とは「出展社とブースデザイン会社(設営会社)、お互いの専門領域がお互いに協調し、それぞれ最大限に力を発揮した時」だと感じています。
出展社には当然商品・サービスに関する知識と経験、そして業界や競合の知識があります。これはブースデザイン会社のものにはなりえないものであり独学しても理解しつくせるものではありません。
また同様にどのようにすれば来場者が集まるか、どうすればセンス良くまとめられるか、どんな言葉ならキャッチとして響くのかは、当社のようなブースデザイン会社の専門領域になります。お互いがそれぞれの専門領域を尊重し力を最大限発揮できれば、そのブースは来場者がしっかりと集まるブースになります。
下記は、最も効果のあるブースが出来るための概念図です。
A は出展者の専門領域。商品に関する知識や、競合他社に関する情報、業界に関する知識などがそれに当たります。
一方で、C は設営会社(ブースデザイン会社)の専門領域です。小間位置を読む力や、展示台をどう置けばよいのか、キャッチの言葉をどうするのか。つまりは、本書で書かれている内容すべてに当たります。
この C の内容は、どんな業種の展示会にも共通する考え方で、雑貨系であっても食品系であっても、機械系であってもこの考え方は変わりません。
そして図中の B は展示会の特徴になります。これは、出展者も設営会社も双方とも持っている知識になります。業種によって展示会ブースの作り方は若干変わってきます。例えば、白いシンプルなブースは、雑貨系や化粧品系のブースでは有効ですが、食品系の場合、余白の多いシンプルなブースでは力の弱いブースになってしまいます。食品系の場合、ブースには「にぎやかさ」が大切となりますので、そのブースに立っているスタッフの方の衣装も含めてブース全体に「センスの良いにぎわい」が必要になってきます。
このように、もっとも効果のあるブースを作るためには、A・B・C それぞれの知識と経験をうまく融合させる必要があります。設営会社が一方的に提案するだけのブースや、同じように出展者が指示するのみのブースでも来場者は集まりません。双方の知識を尊重し協働した時に初めて、最強のブースが完成すると当社は考えます。