EXHIBITION|東京インターナショナル・ギフト・ショー春2025 Gift Show 2025 Spring
HALL|東京ビッグサイト
DATE|2025.02.12-14
SIZE|27m×14.6m×3.6m(≒44小間)
CLIENT|公益財団法人 東京都中小企業振興公社 様

東京都中小企業振興公社による大型集合ブースは、約44小間という大規模スペースに41社が参加する見応えのある展示でした。
入札案件として毎回検討されるプロジェクトですが、2024年春のギフト・ショーに続き、今回もSUPER PENGUINがデザインと運営サポートを担当しました。

ブースの中央正面にはプレゼンテーション用のステージを設置し、来場者の視線を自然に引き寄せる構成に。ステージの左右にはインフォメーションカウンターを配し、会場全体の案内や資料配布を行います。ステージ脇から奥へと伸びる2本の縦通路に加え、ステージ裏にも1本の通路を配置。計3本の縦通路を軸としたレイアウトにより、来場者は自然な流れで各社の展示を巡ることができます。

インフォメーションには公社の担当者が常駐し、ブース全体のパンフレットを配布。
41社の出展企業は「海外向け」「国内向け」「チャレンジ中の企業」など、4つのテーマに分類され、集合ブースの条件として各社に均等な展示スペースを割り当てています。

全体デザインは白を基調に、ブルーを差し色として使用。インフォメーション背後の壁面やタペストリーにブルーを配することで、賑わいの中にも統一感を持たせています。加えて、展示方法やグラフィックのルールを設けることで、41社が集まる大規模ブースであっても整然とした印象を保つことができます。

横からみたブース。壁面は縦通路に対して垂直に設置し、両面に引き出し付き展示台を均等に配置。
縦通路には高めの展示台を並べ、スタッフの待機位置としています。
梁を兼ねた壁面構造は照明を支える役割も担い、展示商品の見映えを一層引き立てます。

ステージ裏側には「事業化チャレンジ道場」と名付けたコーナーを設け、試行的なアイデアや新しい取り組みをまとめて紹介しました。
ブース全体のテーマは「41の技術に、41のストーリー」。出展各社の背景や思いを来場者に伝えることを重視しています。

展示台は鍵付き収納を備えた引き出し付き仕様。

壁面グラフィックのデザイン構成、基本の展示台は一定にすることで統一感のあるブースとなります。
壁面グラフィックに使用する写真は、商品の使用イメージがより膨らむものや、手作り感が伝わるものをデザイナーがセレクト。展示する商品がグラフィックに重ならないよう細かく調整しました。

通路にはやや高めの展示台を置き、スタッフが待機する位置としています。スタッフが縦通路に立つことでブース全体に活気が生まれ、来場者が立ち寄りやすい雰囲気を演出しています。

ステージ脇から縦通路を進むと左右にさまざまな商品が展示されていて、興味を引きます。

ブースの中央に位置する縦通路。

キャッチコピーは全41社分をSUPER PENGUIN竹村が作成。企業名よりも大きく、来場者の興味を引きつける言葉を前面に打ち出しています。

パッケージデザインが映える商品は、店舗什器のように並べて展示。店舗でも使える手法です。

会場通路側の壁面にはワイヤーディスプレイラックを設置し、パンフレットを自由に取れるようにしました。SUPER PENGUINが手がけるブースでは定番のスタイルで、来場者が気軽に情報を持ち帰ることができます。

白地にシルバーを想起させるクールなデザインのパンフレットも今回のために制作。

ステージでは実演販売のプロフェッショナルが司会進行を担当。
出展企業の担当者との対談形式で商品を紹介し、来場者を惹きつけながらブース内へと導く仕掛けです。話し手はリラックスしながら商品の魅力を伝えることができ、聞き手である来場者にとっても理解しやすい工夫となっています。

スタッフは縦通路の展示台で待機して、興味を持った人に話しかけるので会話もスムーズ。

 

◆会場について
会場は東京ビッグサイト東6ホール。ギフト・ショーのメインエリアに位置し、来場者数も多く賑わいが絶えません。

◆小間位置について
ブースはホールの奥側にありましたが、44小間という規模感と41社の参加企業、さらに多数のスタッフが常駐していることで、終始賑わいを見せていました。

◆スタッフについて
出展にあたり、41社すべての参加企業を対象に事前セミナーを開催。効果的な展示の考え方、スタッフの立ち位置や声かけの方法などをレクチャーしました。

◆その他
セミナー開催後、1社につき1時間の個別相談会を実施。
SUPER PENGUIN事務所に商品を持参いただき、展示の目的や主要商品をヒアリングしながら展示台上の構成を決定しました。キャプションサイズや雛壇の仕様もこの段階で調整し、各社が最大限の効果を得られるよう準備しました。
(文:田宮谷)

本記事の監修者について

竹村 尚久
竹村 尚久SUPER PENGUIN株式会社代表取締役|展示会プロデューサー/デザイナー
兵庫県姫路市生まれ。法政大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。一級建築士。1996年4月・五洋建設株式会社入社。2005年6月・インテリアデザイン事務所ディーコンセプトデザインオフィス(現・SUPER PENGUIN株式会社)設立。2006年5月・東京インテリアプランナー協会 理事就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2008年5月・東京インテリアプランナー協会 副会長就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2012年9月東京造形大学 非常勤講師(~2018)

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