EXHIBITION|Gift Show 2025 Spring ギフト・ショー春2025
HALL|東京ビックサイト
DATE|2025.02.12-14
SIZE|2m×2m×207m(1小間)
CLIENT|株式会社フリーマム 様

 

ブースのブラッシュアップを目的にデザイン

株式会社フリーマム(freemom)は「息子のアトピーに悩む母親が作った、低刺激な日用品ブランド」。消臭剤、シャンプー、洗剤など肌に優しい商品を展開しています。

パッケージデザイン等も自社で行うなど、デザインに強く、展示会のブースデザインもふだんは自社で手がけていますが、数年に一度、ブラッシュアップのためにと、SUPER PENGUINにご依頼をいただいています。

 

2面開放のL字型ブース

今回は、通常の1小間とは異なるややコンパクトなスペースに出展。
会場のいちばん奥の壁に沿った位置で、2面開放のL字型、梁は設けず、開放的なブースにしました。
全体は白で統一し、白い壁面に照明を当てることで、会場内でも一段と明るく目をひくSUPER PENGUINスタイルのブースです。

通常の1小間よりもややコンパクトなブース

 

ブランド名「KIELT」を目立たせたグラフィック

1小間と限られたスペースなので、壁面グラフィックの印象が重要です。
今後は、ブランド名を「KIELT」としてビジネスパーソン向けに商品を展開していきたいとのことで、グラフィックは、ブランド名とネクタイのアイコンを目立たせ、「全てのビジネスパーソンへ」のコピーも添えてターゲットを明確にしました。
来場者の視線に飛び込んでくる大きさの文字で、「『香り』を着替える、という発想」というコピーが来場者の興味をひきます。

ブランド名「KIELT」を目立たせたグラフィック

 

A3サイズの手持ちパネルに図表データ

グラフィックを描いたフラットな壁面に、「パネル立てかけBAR」を設置し、A3サイズの手持ちパネルを置きました。
「パネル立てかけBAR」は、パネルが滑り落ちないように浅いL字になっています。
ビジネスパーソンを意識して、パネルには検査結果の数値を図表で入れました。
手持ちパネルは、ふだんから営業に使っている説明資料をプリントアウトして作成することをおすすめしています。手間がかからず、かつ会場でもいつもどおりに説明ができるからです。
立てかけたパネルも含めて壁面グラフィックがすっきりと見えるように調整しています。

A3サイズの手持ちパネルをグラフィックの一部として設置

 

キャプション板は商品のボリュームに合わせて

展示台上のキャプションは商品のボリュームに合わせて薄めの板で作成。
小ぶりな商品には薄めの板を用意することで繊細な印象になります。

帯状キャプションを置くことで、商品のグループ分けがわかるようにして、グループの特徴を説明。商品の効果がわかるグラフも入れました。
それとは別に商品ごとの価格入りのキャプションも作成、商品名、容量、価格を提示しています。

展示台上のキャプションは商品のボリュームに合わせて薄めの板で作成

 

展示台の側面にもブランド名

展示台の側面にもブランド名を入れ、壁面グラフィックの低い位置には、「はじまりは、キッチンから。」というフリーマムの定番コピーと、社名のfreemom Inc.・住所を欧文でスタイリッシュに表示しています。
フリーマムとKIELTの企業の成り立ちを垣間見せつつ、洗練された印象をつくるデザインです。

「はじまりは、キッチンから。」フリーマムの定番コピーを壁面グラフィックに

 

商品のデザインもシンプル

展示台上には、左からバスソルト、柔軟剤と肌にやさしいこだわりの商品が並びます。
フリーマムの商品はデザインもシンプル。
奥に見えるのは贈答用のパッケージです。
展示する商品はあらかじめ配置まで計画し、キャプションも用意します。

 

ビジネスパーソン向けのフレグランス

朝・昼・夜、時間帯によって異なる香りを提案する商品。バッグに入れて持ち歩ける小ぶりなフレグランスで、贈答用にも使ってもらうことを企図しています。

3種のフレグランスを1枚の板にのせて展示することで、商品群として認識しやすくなります。キャプションには、わかりやすく「18:00」などの時刻を入れ、展示台の壁面にフレグランス全体の説明を入れました。
展示台上は商品グループごとに白板を敷いています。

朝・昼・夜、時間帯によって異なる香りを提案するフレグランス

展示台は3方向から見ることを想定して商品を配置

展示台は2面開放の通路に寄せて配置し、展示台上は3方向から商品を見られるようにしました。スタッフの立ち位置側にはオープン収納を設け、名刺やパンフレットを取り出せるようにしています。オープン収納の下は目隠し付きの収納スペースとなっています。

スタッフが1名体制だったので、通路を歩いている来場者が気軽に商品を覗き込むケースと、ブースに入り込んで見るケースを想定して展示しました。
ブースに入ってくる人は関心の高い人です。見ている商品について、声をかけるタイミングになります。

手持ちパネルを設置したパネルBARの前がスタッフの立ち位置

 

◆会場について
東京ビッグサイトの南棟は、駅から最も離れたエリア。ギフト・ショーのLIFE&DESIGNエリアが当てられていました。通路にも緑のカーペットが敷かれ、洗練された印象の会場です。

◆小間位置について
南棟の奥の壁に沿った1小間。中央のメイン通路から左右に分かれる通路の正面に位置していました。白壁に照明を当てることでブースを明るく目立たせます。

◆スタッフについて
1小間でスタッフ1人だったので、壁面グラフィックを背にして立ち、展示台を挟んで来場者を迎える体制にしました。展示台上の商品を3方向に向けることでスタッフの立ち位置が決まります。パネルBARの前が定位置で、手持ちパネルにもさっと手が届きます。

◆その他
ブース仕様のブラッシュアップを目的とされていたので、壁面グラフィックや、商品の陳列方法、キャプションの全てを代表・竹村が手掛けました。商品陳列やキャプション(POP)まで緻密に計算してデザインしています。
展示会の商品陳列は、店舗と異なり在庫を置く必要がありません。 1つ1つの商品を丁寧に設置することが大事です。

本記事の監修者について

竹村 尚久
竹村 尚久SUPER PENGUIN株式会社代表取締役|展示会プロデューサー/デザイナー
兵庫県姫路市生まれ。法政大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。一級建築士。1996年4月・五洋建設株式会社入社。2005年6月・インテリアデザイン事務所ディーコンセプトデザインオフィス(現・SUPER PENGUIN株式会社)設立。2006年5月・東京インテリアプランナー協会 理事就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2008年5月・東京インテリアプランナー協会 副会長就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2012年9月東京造形大学 非常勤講師(~2018)

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