出展社不在・来場者のみの「半リアルの展示会」

現在、コロナの影響で展示会が中止されていることにより、展示会に関わる様々な企業が苦境に立たされています。
我々は「オンライン展示会」ではなく、あくまでも「リアル」にこだわり、現在のコロナの状況下でも開催できる方法を模索しました。

今回開催する「新しい展示会」は、製品のみを出展し、出展者自身は遠隔参加、バイヤーのみが来場する形式とし、オンラインではできない、製品の質感・手触りを自身の感覚で確かめることができます。また、展示会での長い経験を活かし、展示台のつくり、設置の間隔、出展社と来場者のつなぎ方などのノウハウを全投入し実現致しました。

Afterコロナの新形式の展示会[PHASE]

本展示会はオンラインではなく、完全なリアルでもない、「半分オンライン・半分リアル」という「新しい形式」、つまり[PHASE-2]とし、WITH/AFTER コロナ時代における新しい「リアル展示会」の形式として、今回は「試験開催」との形で初お披露目いたします。

展示会に参加する出展者は 12 社。本企画に賛同いただき、東京をはじめ、石川県・高知県・佐賀県など、全国から参加します。

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開催概要

展示会名

[PHASE]in SMALL WORLDS TOKYO

会期

2020年6月1日(月)~5日(金)13:00~18:00

会場

SMALL WORLDS TOKYO内(東京都江東区有明1-3-33 有明物流センター)  SMALL WORLDS TOKYOへのアクセス>

ゆりかもめ「有明テニスの森」駅 徒歩3分 りんかい線「国際展示場」駅 徒歩11分

※駐車場はございませんので、公共交通機関でご来場ください

入場対象者

店舗バイヤー様・問屋様 ※展示会関係者の方等も入場可能です

入場

無料(事前登録はありません。名刺を持参の上お越しください)

公式HP

https://www.phase-ex.jp

1.[PHASE]in SMALL WORLDS TOKYOを試験開催

以前より私のFB等でお伝えしていたのですが、「無人展示会」の試験開催。
6月1日より5日まで開催いたします。これはコロナの状況下でも展示会を開催できないかを模索した試験開催です。出展者不在・来場者のみの「半リアル」な展示会になります。

会場は、今回企画の趣旨に賛同いただいたSMALL WORLDS TOKYOさん。SMALL WORLDSさんは、ミニチュアのテーマパークとしてTVでも紹介されていますが、新しいことに取り組む「プロトタイプの発信地」としてのミッションも有しているため、今回の企画に賛同いただいた、という次第です。

2.開催の理由|トリプルショックの展示会業界

トリプルショック、という言葉をご存じでしょうか。今、展示会が見舞われている状況です。それは今回のコロナのこと、そして2013年のオリンピック開催から議論され続けている「オリンピック」のこと。オリンピック期間、東京ビッグサイトなどが使われないことで、その間の展示会開催がなくなり、展示会に携わる企業の経営が危ない、ということですね。もっともこのことは以前から分かっていたことなので、各企業は対策を講じてきました。展示会業界全体の動きとしては、2020年の展示会開催は5月から9月を避けて、1月~4月まで、と10月から12月に振り分ける、というもの。・・そこへ、今回のコロナの「直撃」です。展示会業界に関してはコロナが終息して展示会が再開されればそれで安心、ではないんですね。次は「延期されたオリンピック期間」をどう生き延びるか。そう考えている企業も少なくないと思います。展示会業界の中でも特に中小企業、そして実際に現場で働く職人さん達は特に深刻です。当社も、様々な設営会社さん、職人さん達に現場をお願いしています。その方々のことを考えるとかなり心配です。

今のままでは、展示会はいつ再開になるか分かりません。その前に、何とかWITHコロナの状況でも開催できる方法はないのか。

それが今回の展示会企画のきっかけでした。

3.オンライン展示会はリアル展示会の代替になるのか

現在「展示会が開催されない」という状況下において、オンライン展示会が多くの企業によって模索されています。
そのオンライン展示会を否定するつもりは全くないのですが、どうしても「それでは根本的な解決にならないのではないか」との疑問が消えませんでした。「オンライン」のみでは、「設営作業」が発生せず、現在危機に瀕している展示会業界の中小企業や職人さん達の救済にはならないのです。

そこで、今回「試験開催」する[PHASE]という本プロジェクトを企画しました。それは、これまでの「リアル展示会」はもちろん必要。そして今模索されている「オンライン展示会」もやはり必要。でも、それだけでなく「半リアル・半オンラインの展示会」もあってもいいのはないか。出展者の側に立った時、展示会出展にはPHASEがあって、それは今回のような、オンライン展示[PHASE-1] 、今回の半リアル・半オンラインの[PHASE-2]、そして今まで通りのリアル展示[PHASE-3]。そんなフェーズに分けられるのではないか。そのような分け方をすると、展示会の見方も変わってくるのではないか。そう考えました。

今回の[PHASE-2]は実は出展者にとっても、リアル出展に比べて交通宿泊費他が無くなることでかなりコストダウンになるのです。もちろん、リアル展示の方が良いに決まってます。でも、リアル展示[PHASE-3]に出展するには1小間の出展でも100万円以上かかってきてしまいます。

4.本企画に賛同いただいた24社と共に開催

今回、展示会に関係する24社(出展者も含む)が本企画に賛同いただき、参画していただくこととなりました。
東京だけでなく、石川県、香川県、佐賀県など全国の企業様です。

画像1

もちろん、この状況下です。コロナに対する対策はしっかり考えます。SMALL WORLDSさんもかなりしっかりとした対策をされています。その上で我々も展示台の工夫、配置(2mを空けるなど)の工夫等を行います。

5.今回の参画企業は有志によるボランティア開催

今回の開催は全員がボランティアです。
参加したそれぞれの企業の得意分野を持ち寄り、総合して展示会を成立させる。その意図は「こんな開催する方法もあるのでは」「みんなで何らかの解決策をみつけよう」という全員による発信です。

展示会業界は今、ほとんどの展示会が10月以降に延期しています。延期せず6月・7月に開催予定のものもありますが、今のままでは現実的に難しいのではないかと思います。

もちろん、展示会よりも前にまずコロナが何とかならないといけません。ですが、展示会業界の現状も同じくらいに深刻です。だからこそ、何らかの方法で、これまでにはない思い切った方法(展示会開催方法)ででも万全なコロナ対策を編み出した上で、せめて10月以降の展示会は、開催できるようになってほしい、そう思っています。

6.今後の展示会業界について

今回の展示会企画では、2つのことを提案したいと考えています。

1つ目は、[WITH]コロナ。今のコロナ期における展示会のあり方の一つの可能性。今回の形式がこれまでの「リアル展示会」に取って代わるべき、というわけではありません。リアル展示会が開催できない状況下では、このような方法があってもよいのでは?という考え。このような展示会形式にすることによって、何とか開催できないだろうか、という模索です。

もう一つは[AFTER]コロナ。今後の展示会開催における可能性についての提案です。これまでも展示会を利用して日本全国の多くの企業が自社の製品・サービスを販促してきましたが、社会的にみると日本はまだまだ展示会の浸透が弱いのでは、と感じています。今回、出展者の立場から見て「出展のPHASE」を考えてみました。これが今回の記事の初めに述べた展示会出展3つのフェーズです。

[PHASE-1]オンライン展示会:ネット上での製品・サービスの販促

[PHASE-2]今回の展示会「半リアル・半オンライン」

[PHASE-3]リアル展示会:これまでの展示会場での展示会

上記の[PHASE-1]と [PHASE-2]は[PHASE-3]に比べて交通宿泊費などを削減することができ、出展のハードルが低くなります。これまでの展示会形式では、「出したくてもコストがかかりすぎるので出せない」という企業も多かったと思います。そのような企業にとってもっと気軽に出展できるようになったら、最終的な[PHASE-3]への出展も増えてくるのではないかと感じています。

本記事の監修者について

竹村 尚久
竹村 尚久SUPER PENGUIN株式会社代表取締役|展示会プロデューサー/デザイナー
兵庫県姫路市生まれ。法政大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。一級建築士。1996年4月・五洋建設株式会社入社。2005年6月・インテリアデザイン事務所ディーコンセプトデザインオフィス(現・SUPER PENGUIN株式会社)設立。2006年5月・東京インテリアプランナー協会 理事就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2008年5月・東京インテリアプランナー協会 副会長就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2012年9月東京造形大学 非常勤講師(~2018)

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