当社の場合、ブースデザインを検討する際には必ず模型を製作するようにしています。
展示会の業界では、検討段階ではCG(パース)を作成するのが一般的ですが、当社は一貫して模型を製作し、お客様と打合せを行います。
手間はかかりますが、その手間以上にいろいろなメリットがあります。
まず、何よりもお客様から見て、一目でブースの全体像が理解できること。
同じスケールの「人」も付けますので、スケール感も分かります。
よく、模型を持っていくと、「こんなに狭いんですね・・」と言われる方がいらっしゃいます。
私も昔、企業に勤めていた頃などはCGでよくお客様に提案などもしていましたが、CGの場合見る方向が限られてくるので「ここはどうなっているんですか?」などとプランの「現状把握」に時間がかかります。
何十パターンものCGを作ってお客様と打合せをしたこともあります。
でも、結局3次元の検討は3次元が一番なんですね。
3次元のものを2次元で説明しようとするとどうしても手間がかかってしまいます。
その点、模型で提案すると、模型を机の上に出して、「これです!」と言えば、それで済むんですね。
通常、「現状把握」に数十分かかってしまい、その上で「改善」のための打合せを行う、という流れになるのですが、模型で検討するとその「現状把握」の時間がないため、打合せ時間がかなり短く短縮できます。
また、それ以外のメリットとして、デザインを考えている当人の「デザイン確認」に有効である、という点。
ブースデザインを検討する際、まずは平面図などの紙ベースで考えていくのですが、ある程度方針が固まりイメージが出来てくると模型にしてみます。
そして、立体が出来あがると、その模型の前にしゃがんで、「じーっ」と目線を「実際の目線」に持ってきて、想像しながら検証するんですね。
この角度から見たらどう見えるか。
実際に来場者はどんな動きをするのか、どこを見るのか。
違和感のある場所はないか。
色は正しいか。
キャッチの文字の場所、大きさ、内容は最適なのか。
これを、模型の前にしゃがみこんでひたすら考えます。
模型をじーっと眺めていると不思議といろいろなことが見えてくるのですが、その見えてきたビジョンを踏まえて、修正すべきところは修正します。
この過程がクオリティーの高いブースを作るためには欠かせない作業なんですね。
CGでの検討は、照明の効果や見栄えなどをなんとでもごまかして表現することが可能です。
よく展示台の上が「ピカー!」と光ってるのですが、よくよく見ると、その光ってるものの「元」、つまり光源はどこにあるかと探してみると、「・・ない」、そんなことがよくあります。
そんな、見た目をごまかしているCGで実際のブースをつくると、出来た時に「なんか、CGと違う・・・」ということになります。
その点、模型では一切ウソはつけないため、出来あがりは間違いなく、よくなります。
実際に会場で出来た時にお客様から出てくる言葉は・・「模型のまんまですね!!」、です。
なんか、嬉しい瞬間ですね。

 

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著者プロフィール

竹村 尚久
竹村 尚久SUPER PENGUIN株式会社代表取締役|展示会プロデューサー/デザイナー
兵庫県姫路市生まれ。法政大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。一級建築士。1996年4月・五洋建設株式会社入社。2005年6月・インテリアデザイン事務所ディーコンセプトデザインオフィス(現・SUPER PENGUIN株式会社)設立。2006年5月・東京インテリアプランナー協会 理事就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2008年5月・東京インテリアプランナー協会 副会長就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2012年9月東京造形大学 非常勤講師(~2018)

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ペンギンリポートは、当社が日頃業務を行った際に気が付いたことをまとめて発信いたします。今回は現在のコロナ下で当社が携わったブースの中で、試したことや気が付いたことなどを取りまとめ、今後どのように展示会を検討していけば業務がうまくいくのか、事例を交えながらお話しいたします。