EXHIBITION|インテリアライフスタイル2025 interiorlifestyle Tokyo 2025
HALL|東京ビッグサイト
DATE|2025.06.18-20
SIZE|3m×3m×2.7m(1小間)
CLIENT|株式会社HEP 様

 

埼玉県川口市に本社を置く株式会社HEPは、卵の形をしたイタリア製ワインクーラー「WEGG(ウェッグ)」の総輸入販売元です。スーパーペンギンとの繋がりは、同社社長が川口市の商工会セミナーにてスーパーペンギン代表・竹村のスピーチを聞いたことに始まりました。ギフト・ショー春2024での初出展時にスーパーペンギンがブースデザインを担当。今回は2回目のご依頼でした。

今回のブースの小間位置は出入口から見て会場の左隅、「キッチン・ライフ」に分類されるエリアでの出展となりました。出入口から程近いため、来場者の往来はブース正面と右側からある程度見込めます。ただ、隣接したブースがなくポツンと離れ小島のような小間位置で、やや寂しい場所にありました。そこで、壁面グラフィックや照明で人目を引くという戦略を立てることにしました。

イタリア製のワインクーラー

今回展示した商品はワインクーラー2種(「WEGG」と「DEMI」)と、初お披露目の「SUSANNA」という車輪が3つ付いた大皿の計3種。いずれもイタリアらしい遊び心に溢れたオシャレな商品です。主力商品のワインクーラーについて、本国イタリアではブルーやピンクなどの鮮やかな色も人気ですが、日本市場の嗜好に合わせ、今回は白・黒・シルバー・ゴールド系の落ち着いた色味のみで展示構成しました。カラーサンプルは商談時に必要に応じて提示します。

 

ターゲットはラグジュアリーブランド

HEPは商品の性質上、ラグジュアリーブランドやハイブランドをターゲットにしています。そのためホテルの客室や高級レストラン、別荘など、ラグジュアリーな空間に置いてもらうことを想定して、ブースのデザインを計画しました。

壁面は来場者の歩く方向に設置

小間位置と来場者の動線を考えて、ブーススペースの4辺のどこに壁面を設置すればよいかを検討します。今回のケースでは小間位置が出入口に近い会場の左隅で、来場者の動線が非常に明確だったため、別解の余地なく、来場者が歩く方向に壁面が見える2辺に設置しました。

まずはロゴに注目してもらう

壁面で最も目立つキャッチコピーとロゴの位置は、歩いてくる来場者の視線を予想して決定します。来場者は最初に遠目でぼんやりとながらも明るく照らされたブースの存在を認識します。徐々に近づいてきて、10メートルほど手前のところで、壁面端の最上部に配置されたロゴに目が行きます。

「超軽量」と「水も氷もいらないワインクーラー」をキャッチコピーに

ブースから約5メートル手前のところで来場者の視界に入るのが、「超軽量」と「水も氷もいらないワインクーラー」のキャッチコピー。どちらも商品の肝となる特徴です。このキャッチコピーによって、本ブースがどのような商品を扱っているのか、来場者に瞬時に認識してもらいます。

黒色の壁面グラフィックが醸し出す高級感

今回は「海外の雑誌風」をテーマに壁面グラフィックをデザインしました。壁面全体を黒一色にすることで、商品の持つフォルムの美しさや高級感がより一層引き立ち、シックな雰囲気が漂います。ただし、小間位置の寂しさを補うために、グラフィックはかなり描き込みました。現地デザイナーのポートレートやイメージ写真、ラフスケッチを散りばめ、文字情報は英語表記を採用。敢えて日本語を使わないことで、外国製であることを直感的に伝えました。

イタリア製をアピール

「Made in Italy(メイド・イン・イタリー)」も大事なアピールポイントです。小さなパネルですが、「ITALCHECK」という認証マークを商品の左脇に立てました。「ITALCHECK」は、厳しい審査をクリアしたイタリア製品のみに表示が許されるマーク。確かな品質と本物志向を裏付けています。

展示台は通路際に置くのがセオリー

今回、展示台として大小形状の異なる4台を設置しました。一番大きな展示台は通路際ギリギリの位置に設置。台の上には高さの異なる白板を3枚置き、商品を分類分けして見せました。壁面に沿わせた奥の長細い展示台にはパソコン(Mac)を置き、色彩鮮やかなイメージ動画や商品の使用手順の分かる動画を常時流しました。

キャスター付展示台の活用

小ぶりで少し高さのあるキャスター付展示台も大活躍。台の上には保冷剤等の付属品や、軽さを体感してもらえるようWEGGのサンプルを置きます。状況に応じて展示物と場所を変えて活用しました。

小物を使った演出

ワイングラスやシャンパンボトル、チョコレートなどの小物を展示台周りに配置しました。実際に想定されるシーンをリアルに再現する演出も、商品に説得力を持たせるのに効果的です。

展示台背面にも間接照明を設置して立体感を出す

壁面上部には、スーパーペンギンが好んで用いる60Wの白いLED投光器を6個取り付けて、暗く沈んで見えがちな黒色の壁面を明るく照らしました。また、壁面に沿って配置された奥の長細い展示台の背面にも間接照明を仕込み、商品を背後からほんのり照らすことで、立体感と高級感を演出しました。

接客は通路際で

来場者は基本的に出展社には話しかけられたくないものです。そのため、社長ご夫妻は展示台で作業しながらさりげなく待つ、通路に出て待機する等して、待ち構えない接客を心がけていました。また、通路際の大きな展示台の上に並ぶ商品に興味を持ち、足を止めてくれた来場客に対して、正面ではなく敢えて来場者の横で話しかけることも、来場者の警戒感を解くポイントの一つです。

インテリアライフスタイル展初出展の成果

会期中、終始来場者に興味を持って見てもらえたとのこと。特に初日と二日目には来てほしかった卸業者さんが自らブースを訪れてくれ、今後の進展に期待しておられました。インテリアライフスタイル展は、上質でデザイン性の高い商品が一堂に集うことが大きな特徴。初出展ながら、本展示会と同社商品との相性の良さを実感されていました。

本記事の監修者について

竹村 尚久
竹村 尚久SUPER PENGUIN株式会社代表取締役|展示会プロデューサー/デザイナー
兵庫県姫路市生まれ。法政大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。一級建築士。1996年4月・五洋建設株式会社入社。2005年6月・インテリアデザイン事務所ディーコンセプトデザインオフィス(現・SUPER PENGUIN株式会社)設立。2006年5月・東京インテリアプランナー協会 理事就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2008年5月・東京インテリアプランナー協会 副会長就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2012年9月東京造形大学 非常勤講師(~2018)

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