EXHIBITION|ISOT国際文具紙製品展2012
HALL|東京ビックサイト
SIZE|6.0 m×2.7m×2.7 m(2小間)
CLIENT|株式会社カンミ堂 様

「フセン」と言えば、今や「カンミ堂」さんの名前は多くの人が知っている有名な文具メーカーさんです。
この時の出展は、カンミ堂さんが展示会に出展して2年目。この年の前年、「ココフセン」という付箋を初めて出展し、大反響となり、東急ハンズさんなどの売場で「フセン」売場の位置が変わることになりました。

そして、2年目の今回、ココフセンの進化版として「カード型」のココフセンを出すことに。
この「カード型」を表現するモチーフとしてブースは複数の面が連なるような形状で、その中がくりぬかれているような、そんなブース形状としました。通路際に壁面を設け、来場者が自由に入れなくするようなこの形状は一見かなり「リスキー」なことです。

敢えて、この形状を取り、さらにブース内に来場者に入ってもらうためにはどのような仕掛けをブースに設ければいいのか。そこが今回のブースに集客を実現させる上で重要なポイントなってきます。

結果的にこのブースには、かなり多くの来場者が集まりました。最終日に「休憩する暇がありませんでした・・」と喜びながらも疲れた顔をしたスタッフの言葉が今でもとても印象深く残っています。

さて、ではその「集客のための仕掛け」は何だったのでしょう。

それは、通路際の壁面部分の造りこみにあります。まず通路部分の一部に下記のような小さな壁面を設け、ココフセンの商品を直接貼るようにします。この壁面にまず通路を歩いている来場者は「近寄ってくる」のです。そして、ポイントはその「下」。ブースの内部にある「カウンター」部分が見えていてそこで試し書きなどをしている様子が「チラ見」しています。

この「チラ見」。これは来場者を誘う上でとても効果的です。

気になった来場者は「ブースの内部に入ろうかな」となるのです。

これ以外にもあります。新商品であるカード型フセンが自由に手にとれるようゴム紐に結んで吊っていたり、自由に試せるように敢えてランダムにサンプルを置いてみたり。

これらは、全て来場者の心理を「気になる」→「入ってみたくなる」という図式になるように商品の陳列方法や見せる順序をコントロールしています。

ブースへの来場者集客を実現させようとした場合、来場者が「体験をする」場を設けることはかなり重要です。まず第一に商品を陳列する場合、見るだけでなく触ったりした五感で感じるようにすることが大事なのです。よくガラスもしくはアクリルのケースなどに丁寧に入れて見せるように陳列する出展者さんがいらっしゃいますが、この場合「見るだけ」しかできないためどうしても印象が薄くなってしまいます。「見るだけ」よりも触ったりして五感で感じるようにすることは出展の結果をだすためには想像以上に大事なことなのです。

また、体験をする場を設けることで、そのブースにいる来場者の「滞留時間が延びる」こともかなり重要なことです。
滞留時間が延びることで、来場者がブース内に多くとどまることになり、その光景が他の来場者を呼び寄せることに繋がります。

来場者は、来場者が集まっているところに無意識に呼び込まれる、これも展示会ブースに集客を考える上で重要な法則になります。

本記事の監修者について

竹村 尚久
竹村 尚久SUPER PENGUIN株式会社代表取締役|展示会プロデューサー/デザイナー
兵庫県姫路市生まれ。法政大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。一級建築士。1996年4月・五洋建設株式会社入社。2005年6月・インテリアデザイン事務所ディーコンセプトデザインオフィス(現・SUPER PENGUIN株式会社)設立。2006年5月・東京インテリアプランナー協会 理事就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2008年5月・東京インテリアプランナー協会 副会長就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2012年9月東京造形大学 非常勤講師(~2018)

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