EXHIBITION|雑貨EXPO2012
HALL|東京ビックサイト
SIZE|6.0 m×2.7 m×2.7 m(2小間)
CLIENT|KAJIJAPAN 様

今回のブースサイズは2小間。しかしこれは展示会での一般呼称。
展示会業界では一般的に3m×3mの小間サイズを「1小間」と言いますが、この展示会の主催者リードエグジビションジャパンさんでは、6m×2.7mを1小間と呼称します。今回のこのブースの場合、W6m×D2.7mなので展示会業界標準では「2小間」という言い方をしますが、リードエグジビションさんでは「1小間」。

この記事では、表記方法として「2小間」という言い方をします。

さて、今回は2小間の角ブースという形状になります。角小間の場合、もっとも大事なところはもちろん通路に当たる「角」の部分。この角の「通路際」の部分に何を置くか、が集客を実現させる上で重要となってきます。

今回のこのブースの角の部分には、出展者の方が日頃持っていらっしゃる商品什器をそのまま使用しました。白のトレーが浮いているように見せることができるこの什器、綺麗ですね。
この什器が活きるようにその背面には黒の「背景」としての壁を設け、白が浮くようにしています。商品を陳列する際に「背景」をどうするかはとても重要です。せっかく良い商品を設置してもその背景に雑然とした背景が映りこんでしまうと商品の見え方、価値が台無しになってしまうのです。今回は白のトレーの背面を黒一色とすることで遠くからブースを見た際にトレーが浮いているように見えるように、キャッチのなるようにしているのです。これをブースの角の「通路際」に設ける。これがこのブースのポイントの一つになります。

さて。今回のこのブースは敢えて反省点を書いてみましょう。
このKAIJAPANさんが扱う商品はどれも質が高く、デザイン力も高い商品ばかりになります。
その上で、ブースを見てどのように感じられるでしょうか。
実は、「商品を置き過ぎてブース全体が雑然としてしまっている」というのが当社の反省点です。
このようになるとどんなにデザインが良く、よい商品であっても、雑多な印象となってしまい、安い商品の印象を来場者に与えてしまうのです。下の個々の商品写真を見ると、どれもとてもよい商品の印象を感じるのではないでしょうか。

1小間、2小間、といった比較的小さなブースでは、「何が特徴なのか」「何が言いたいのか」「なんの商品がもっとも大きな特徴なのか」を明確にすることが何より重要です。

もし複数の「方向性の異なる商品」を置く場合には、メインとなる商品を際立たせるか、または全体を包み込むような「世界観」を与えるかが、全体の印象を整える解決策となります。

しかし、この時当社は、「これも、これも、これも置きたい」と仰る出展者様を説得することができませんでした。
結果的に、ブース全体としてどこか雑然とした感じになってしまったのです。

結果的に来場者はそれなりに集まりはしたものの、もっと印象を整え、商品の陳列方法や、陳列の数をコントロールできていれば、もっと多くの来場者がブースに近寄ってくることになり、もっと大きな成果が出たのではないかと考えています。

展示会出展社の方にとって、展示会出展は多額の出費を伴う重要な販促の場です。ですから、どうしてもこの機会を最大限活用しようと「あれも置きたい」「これも置きたい」になってしまいます。
しかし、大事なことは「出展の結果」です。このことを念頭に置き、来場者にまず何を伝えて、どのような来場者に出会いたいのか、そのためにどの商品をメインに据えればいいのか。客観的にコントロールすること、敢えて商品を「引き算」すること、は出展を成功させる上でかなり重要なこととなります。

 

本記事の監修者について

竹村 尚久
竹村 尚久SUPER PENGUIN株式会社代表取締役|展示会プロデューサー/デザイナー
兵庫県姫路市生まれ。法政大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。一級建築士。1996年4月・五洋建設株式会社入社。2005年6月・インテリアデザイン事務所ディーコンセプトデザインオフィス(現・SUPER PENGUIN株式会社)設立。2006年5月・東京インテリアプランナー協会 理事就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2008年5月・東京インテリアプランナー協会 副会長就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2012年9月東京造形大学 非常勤講師(~2018)

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