CLIENT: 株式会社アーツ 様
EXHIBITION:ISOT国際文具紙製品展
SIZE:6.0m×2.7m(2小間)
SITE:東京ビッグサイト

ISOT国際文具紙製品展 ブースデザイン

毎年7月に開催されるISOT国際文具紙製品展でのブースです。
この展示会でご依頼いただいたのは、株式会社アーツ様。大阪の会社様です。
「おたより本舗」という年賀状印刷サイトを運営されており、ネットでの年賀状印刷サイトとしては「ネット通販全国第一位」を獲得されています。そんなアーツさんが、今回ISOTに初参加。
その際、当社を見つけていただきご依頼をいただきました。
「年賀状」のみを扱うブース。
シンプルでいてなかなか難しいブースです。
全体の印象は、ベタではありますが白を基調に赤をアクセントカラーにしています。
葉書を展示することで「葉書」関係のブースであることは来場者の方にとってすぐに分るでしょうが、その上で「年賀状専門」であることを理解していただかなくてはいけません。
そこで、全体の色調に加えて大きく「年賀状」の文字を記載。
ブースの手前に設置した梁から壁面全体に照明を当てて周囲より明るい印象を作り出しています。

ISOT国際文具紙製品展 ブースデザイン

今回のアーツさんのブース。

以前別の記事で同じISOTでのブース「BGM」さんのブースをご紹介しましたが、今回小間位置を見てみると、当社が同じく担当させていただいたBGMさんのブースが向かいであることが判明。この状況は利用しない手はありません。
そこで、BGMさんのブース、アーツさんのブースを一体的にデザインし、相乗効果でお客様が集まるように仕組んでみました。どちらのブースも通路際の展示台を活かして、来場者が通路際から商品を見やすくしています。BGMさん、アーツさんそれぞれの会社名、そして「年賀状」の文字は正面の通路から向かって一番見えやすい壁面に多少大きな余白を持たせて記載しています。「年賀状」という文字の大きさは正面の通路から見やすいことを想定したサイズにしているんですね。2つのブースの高さは周囲(2.7m)よりも30㎝高い3mに敢えて設定。細かな事ですが、多少目立つようにしているのです。そして、照明も手前から壁面を照らし、ブース全体を明るくしています。どちらのブースも壁面に適度な余白感を残すことで、ブース全体がごちゃごちゃしないような工夫を行っています。 

ISOT国際文具紙製品展 ブースデザイン

ISOT国際文具紙製品展 ブースデザイン

通路際の展示台には、昨年2017年1月で人気のあったデザインをランキングとして参考展示してみました。来場者が、昨年はどんなデザインが人気で売り上げがあったのか、参考になるようにしていたんですね。

 
さて、そんなアーツさんに出展の結果や当社にご依頼いただいた理由などをお聞きしてみました。
3日間で獲得された名刺の数は163枚。 個人的にもっと集まってほしかったのですが、これは当社の力不足もあると思います。 ただ、目標枚数から比べると達成率170%強、とのこと。 また、163枚のうち、「今すぐ商談を行う」ことになったのは78枚、とのこと。 「今すぐではないが、検討したい」とお答えになった枚数は20枚。 枚数は163枚でしたが、内容としては決して悪いわけではなかったようで安心しました。 会期中の反応について聞いてみました。
 
「想定より170%強の反応をいただきました。慣れない接客ではありましたが、見込み客、来場者ともに好印象で商談を進めることができました。ブースに立ち寄り、商品を手に取って立ち止まっていただくことで声をかけやすかったです。展示会での接客が全くわかりませんでしたが、立ち位置から声掛けのタイミングまで細かいところまで教えていただき、なんとか来ていただいた方に説明することができました。熱心に話を聞いて下さる方やカタログとサンプルとけん玉(粗品)をもらって帰られる方、パックの年賀状ということがわからず説明して初めて理解された方など、反応は様々でしたが、豊富なデザインに皆さん感心されていました。」
 
とのご回答。ひとまず安心しました(笑)
 
そして、当社にご依頼いただいた理由についてお聞きしました。
 
「前年度のISOTで弊社のイメージに近いブースデザインがsuperpenguinさんの作品でした。デザインはもちろんのことブランディング力と集客力の実績もありお願いいたしました。実際初めての打合せでは、初出展の不安から期待に変わったのを今までも覚えております。また、商品イメージをより良くしたかったため、弊社が『このブースの商品を買いたい!』と思ったブースを手掛けられていたスーパーペンギンさんに依頼しました」
 
実は、アーツさん、2016年に当社が手掛けたカンミ堂さんのブースを見ていただいていたらしく、それがご縁で当社を見つけていただいたようです。
2017年に入って、ご連絡をいただき、まず当社が実際にデザインした実物ブース(多分ギフトショーだったかと思いますが・・)を会場で見ていただいてからご依頼を決めていただきました。
 
その他にもご感想をいただきました。
 
「初出展だからこそ、全面的にお任せできると思いお願いいたしました。会期までの間もいろいろとアドバイスをいただき、ブース以外の展示会ノウハウなど、レクチャーしていただきました。 開催会場は遠方でしたが、搬入など事前準備も先にアドバイスをいただいておりましたので、問題なく当日を迎えられました。 前日の設営の際、急な追加変更なども快くぎりぎりまで対応していただきました。 本当にお世話になりました。ありがとうございます。最初に訪問してくださり、会社の雰囲気やブランドイメージなど、ヒアリングしてからスタートだったため、とても安心しました。 先に提案をいただけたので、それに対してこちらが要望を伝える形でとても進めやすかったです。 経験豊富なため、ブース以外の接客や販促品等のアドバイスも大変助かりました。 来年は、もっとターゲットを明確に、こちらが来場者に対して目を引く提案ができるようなブースづくりをしたいと考えていますのでぜひよろしくお願いいたします。」
 
この年末。当社も年賀状売り場をチェックをしつつ過ごしてみましたが、店舗において他社との差別化を行う、ということはなかなか難しい商品だ、と感じます。デザインの違い、というだけでは決して強みにはならないのでは、と。
そんな状況の中で、いかに「年賀状」をネットだけでなく全国の「店舗」へと展開していくべきか。
展示会への出展においては、単にブースのデザインだけでなく、バイヤーさんの立場に立って、どのような提案の仕方をするかが重要、と感じます。
今後の出展が楽しみですね。

ISOT国際文具紙製品展 ブースデザイン

ISOT国際文具紙製品展 ブースデザイン

ISOT国際文具紙製品展 ブースデザイン

本記事の監修者について

竹村 尚久
竹村 尚久SUPER PENGUIN株式会社代表取締役|展示会プロデューサー/デザイナー
兵庫県姫路市生まれ。法政大学大学院工学研究科建設工学専攻修了。一級建築士。1996年4月・五洋建設株式会社入社。2005年6月・インテリアデザイン事務所ディーコンセプトデザインオフィス(現・SUPER PENGUIN株式会社)設立。2006年5月・東京インテリアプランナー協会 理事就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2008年5月・東京インテリアプランナー協会 副会長就任 / インテリア系展示会IPEC/JAPANTEX実行委員会。2012年9月東京造形大学 非常勤講師(~2018)

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METHOD/は、当社が日頃ブースのデザインを行っている中で、この手法を用いれば集客に成功する、と実感した手法、実際に集客に成功した手法をとりまとめてお伝えいたします。常に出展者に寄り添い、共に「出展成功」を考える立場だからこそ気が付くこと、展示会ブースを行う立場だからこそ気が付くことをお伝えいたします。